スチューデントアパシー(学生の無気力症候群)対策について

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スチューデントアパシー(学生の無気力症候群)対策について

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2018/01/10 スチューデントアパシー(学生の無気力症候群)対策について

いよいよ3学期に入ったこの時期は、進級、進学、就職に秒読みとなり、不安から学生のモチベーションに波が出てくる時です。

 

スチューデントアパシー(学生の無気力症候群)という言葉自体は昔からあるのですが、日本ではここ最近のことだと思います。この問題でカウンセリングに来られるのは、一番初めはご両親であることが多いです。

 

スチューデントアパシーは、いわゆる五月病のように一過性ではなく、無気力状態が長期間続いている状況です。

 

日本の教育は高校、大学に受かるということが第一目標とされ、入学後は何を道しるべにして良いかわからなくなることが、この原因のひとつと考えられます。

 

タイトルには対策と記しましたが、結論から言うと、本人が自分自身に向き合い、あれこれ葛藤しながら積み重ねていくしかなく、特効薬的な方法があるわけではありません。

 

特効薬がないと言うと、がっかりされるかもしれませんが、特に周囲の人、親御さんが必要以上に責任を感じたり、これを言ってはいけない、もしくは、これだけは言わなければいけないといった端的なことはないと心得てください。この時期に陥ると、本人は苦しさから、過去のことを思い出し、親に不満をぶつけてくることも少なくありません。

 

この時期に必要な援助は、十分に本人の話を聞くことと、出来ることと、出来ないことを明確に示し、気持ちに寄り添うことはできるけれど、少し離れたところから見守っているということを示し続けることです。

 

出来ることと出来ないことというのは、経済的支援がどの程度、どれぐらいの期間可能なのかをうやむやにしないことも含みます。奨学金で進学されている場合も多いと思いますが、それらの金額や返済期間について、たとえ全額親が負担するつもりであったとしても、親子で理解し合っておくほうが望ましいです。

 

スチューデントアパシー真っ只中では、難しいかもしれませんが、事前の予防策としては、普段から、いい学校に入る。いい成績をおさめるというところだけに価値を置くのではなく、将来そこでどう過ごすのか、また今学んでいること自体に意義を見出す考え方に少しずつ方向転換してみてください。

 

学生時代に想像できる将来像というものは、ごく限られた部分でしかありません。親もまた、子供より長く生きているとはいえ、10年後の世の中は、想像しがたいものです

 

もう一つ、大切なことは、親御さんはご自分の人生を生きることです。子供が苦しんでいる時に笑っていられないというのが親心。人生の先輩として、楽な人生とは言えないけれど、苦難を乗り越え働き子供を育てる人生も悪くないと子供に笑って言えると素晴らしいですね。ご夫婦仲睦まじければなお良しです。

 

いつの世も、親の言うとおりにはならないけれど、親の背中を見て子供は育つと言われます。

 

スチューデントアパシーに陥っている本人がこのブログをご覧になっている場合は、本当にしたいこと、欲しいこと、望むことを真剣に考えて書き出してください。その理由も考えてください。

 

次に、これだけは嫌だと思うことも書き出してみてください。その理由も考えてください。

 

その上で、本当にしたいこと、欲しいこと、望むことを穴があくほど見つめて、それを叶えるためのスケジュール帳を作りましょう。そこに書かれていることは、あなたがあなた自身にした約束なので、守れなかったとしても、誰も責めないかもしれませんが、あなたがあなたの約束を違えれば、あなた自身はそれを知ってしまいます。

 

すべて有言実行とはいかなくても、自分に嘘をつき続けると、自尊心は下がり、人生を楽しむことができなくなります。

 

現実の自分、なりたい自分、好きな自分、嫌いな自分、全部自分です。どれも不正解はないのです。まるごと受け容れることからスタートです。今日から始めてみましょう。

 

2011-12-25-07-07-17

 

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