夫婦の歩み

かきかわ統合医療相談室

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2018/12/02 夫婦の歩み

今夫は意識不明で集中治療室にいます。

 

先週の日曜日は、一緒に大河ドラマ『西郷どん』を観ながらコタツで「美味しいね!」って言いながらアイスクリームを食べていました。

 

この頃は、胸が痛いと時々言っていたけど昨年2月に心臓カテーテル検査を受けて以降、薬はきちんと飲んで無理をせず、定期的に受診もしていました。

 

26日(月)、夫はいつものように仕事に行き、私は航空自衛隊の部外カウンセリングへ行き、自宅に着く直前に夫から電話があり、聞くと、かかりつけ医から病院に紹介され今から行くと…入院になるかもしれないので車で送って欲しいとのことでした。

 

そもそも26日の受診はどちらかと言えば、膀胱癌術後(膀胱全摘術及び回腸導管術)24日に退院し、同時に同居を始めた母のために、夫が通っているかかりつけ医に連れて行くことがメインでした。

 

夫も年末年始は仕事も忙しくなるので、その時痛みが来ると困るので、この際年内に再検査出来ると良いと思っていました。

 

ところが検査の結果、なるべく早く治療した方が良いとの判断で即入院。翌日に心臓カテーテル及び、出来るようならステント術をするとのことで、少し驚きましたが、何度も通院しなくても出来るならまあ良しとしようと夫婦で納得していました。

 

翌朝も病院食は完食したとのこと。車椅子で昼前にアンギオ室へ搬入。本人は何も症状の訴えなし。

 

ところがおよそ2時間後、執刀者とは別の医師が、術中に突然の心肺停止、蘇生を試みているとのことです。その後、何とか心肺停止状態は脱して心臓の治療も済み、集中治療室へ入りました。

 

挿管され人工心肺が用いられていて下肢にも生命維持装置が付けられていましたが、元々閉塞性動脈硬化症があり特に左足は、それを入れたために血流が悪くなりなるべく早く外した方が良いとの判断で、その日の夜に外され血管が縫合止血されました。

 

バイタルが落ち着き、鎮静が解かれたら、あとは意識の回復を待つばかりだと思いきや、ひとつの目安になる72時間経っても意識は回復せず、蘇生後脳症という診断がついています。

 

今後の回復がどこまで進むかはわかりませんが、障害が残らずに済むことは無理でしょう。

 

先日、クライエントさんからの質問で「生きている意味とは?」と聞かれました。

 

この歳になると(現在私は50歳)生きているのではなく生かされているのだと思います。

 

母のかかった病気。浸潤性の膀胱癌も相当大変な病気です。膀胱を全て取れば、生涯体外に造設されたストーマにパウチを付けて生活せねばなりません。それでも転移なく過ごせれば予後が良好に過ごせると期待できます。

 

一方で昨日まで元気に働いており、心臓カテーテル検査自体は局所麻酔で意識もあるにもかかわらず、少しでも血管を傷つけると命を失う重大なアクシデントに発展します。

 

いずれも自分では選択出来ないのです。

 

この一週間、私自身も自分に身に起きていることが到底受け入れ難く、今もなお苦しんでいます。しかしながら夫も生かされているのです。

 

この世には神も仏もあるものかと不運を恨みましたが、集中治療室で夫に話しかけていると下瞼がわずかに動くのを見て嬉しくなり、側から見れば滑稽でしょうが、ずっと話しかけ続けました。

 

朝方目がさめる直前には必ず夫と話す夢を見ます。だから起きたらすぐに病院に行かねば気が済みません。私たち夫婦は心で繋がっているのだと信じています。

 

今日から通常通り営業も再開しました。母とのわだかまりも、お互いにそれどころではなくなり助け合っています。

 

意識がないのは辛いですが、それでも生きていてくれて嬉しいのです。今年銀婚式を迎えて、夫婦の歩みはまだまだ続きます。続くと信じています。

 

画像は花博に一緒に行き撮影した夫と愛犬です。

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